1 子宮筋腫発覚までの経緯
子宮筋腫は「成人女性の4人に一人は持っている」とも言われるありふれた病気です。主な症状として、月経過多・貧血・月経痛などが挙げられますが、無症状のケースもあります。子宮筋腫は良性の腫瘍なので、転移したり生命に関わることはありません。なので、無症状の場合はとくに治療を行わず、半年に1回程度の経過観察のみ勧められることもあります。
私の場合、月経過多や貧血の症状が全くなく、月経痛は若い頃よりも楽になったぐらいでしたので、子宮に筋腫ができているとは夢にも思いませんでした。
異変が起きたのは2007年夏ごろから。このとき39歳でした。
2007年夏ごろからの異変
排便・排尿時に下腹部痛が起きるようになりました。
この下腹部痛、「数日続いて治まる、忘れた頃にまた痛くなって、また治まる」という繰り返しでした。これが月経周期と関連していると気づいたのは、ずいぶん後になってからのことでした。
2007年9月28日
早朝目覚めてトイレに行ったら、紅茶みたいな深紅の血尿が!! 膀胱のあたりに軽い痛みもあります。こんな経験は初めて。うろたえてしまいました。
膀胱炎だと思って内科を受診し、抗生物質と痛み止めを処方してもらったところ、血尿はその日のうちに止まり、痛みも数日でなくなったのでホッとしました。
（※素人考えではありますが）今思うと、この血尿も子宮筋腫に関連していたのかもしれません。後日撮影したMRI画像を見ると、筋腫が膀胱側に突き出していたことがわかりました。
2007年10月6日
右下腹部に痛みが出現。体の内部に傷でもあるような、そんな痛み方です。このとき生理中でしたが、痛いのは右下腹部だったので子宮に関連してるとは思いませんでした。
過去にわずらった「移動性盲腸」の再発だと思ってかかりつけの内科を受診しました。医師も盲腸（虫垂炎）を疑ったのですが、痛みの出方がどうもイレギュラーなので、痛み止めと抗生物質を飲んで様子を見ることになりました。
2007年10月13日
右下腹部の痛みはなくなりましたが、医師が触診したところ、痛んでいた部分にしこりがあることがわかりました。念のために子宮や卵巣の検査もしてみたら、と勧められました。
2007年10月24日
婦人科で問診と内診を受けましたが、特に異常はなく治療の必要もないとのことでした。
※後で話を聞いてみると、筋腫があることはこのときに判明していたそうです。ですが、受診した日には自覚症状がなく、月経周期や量にも異常なかったため「経過観察」の扱いになってしまったようです。
2007年10月25日
またまた下腹部痛が出現。
痛みの中心はおへその下あたりですが、ガスがたまっているせいかおへその上にも刺すような痛みがあり、立ったり座ったり歩くととても痛いんです。
このときも生理中でしたが、それでもまだ関連に気づきませんでした。
2007年10月27日
痛みが治まらないため、かかりつけの内科を受診。
腸疾患かも……？ と心配したのですが、レントゲン撮影では腸閉塞やガス溜まりは見つかりませんでした。とはいえ、9月から下腹部痛が続いていて心配なので、施設の整った専門医で検査してはどうかと勧められました。
2007年10月29日
痛みが続いているため、総合病院を受診することにしました。医師に手際よく説明できるように、夏頃からの症状と受診履歴や服薬状況を紙に書き出すことにします。
このときになって初めて、下腹部痛と月経周期に関連があることに気づきましたが、それでも腸疾患だと思っていたんですよ、私ったら。
総合病院で、問診票に必要事項を記入して受付に提出すると、消化器外科へ行くように指示されました。問診票に右下腹部痛のことを書いたので、ここでも虫垂炎と思われたのかもしれません。
消化器外科の先生による問診・触診・超音波検査の結果、見つかったのは腸疾患ではなく子宮筋腫でした。
筋腫は最大のもので径6.7cm。多数あるために、子宮が通常の数倍の大きさになっていました。そればかりでなく水腎症（尿管が閉塞されて腎臓が腫れる状態）も起こしていることがわかりました。
水腎症は尿管結石によって引き起こされる場合もあるため、念のためにCTスキャンで結石の有無も調べてもらいましたが、結石は見つかりませんでした。
ということは、腹痛と水腎症はおそらく子宮筋腫が原因ではないかとのこと。婦人科医と相談するように勧められました。
あれれ、先日 婦人科を受診したときには異常なしって……。わけがわからなくなってしまう私でした。
同日、気を取り直して婦人科を再受診。経緯を説明したところ、
「手術するほどの大きさでもないし、ホルモン療法だと副作用もあるので、
漢方薬（桂枝茯苓丸）と鎮痛薬を服用しながら様子を見ましょう」
ということになりました。